2017年11月15日
ぬくもりが循環する地域に 子育てあんしんネットしんぐうが研修 新宮市
話に耳を傾ける参加者ら=13日、新宮市福祉センター

 新宮市の子育てあんしんネットしんぐうは13日、市福祉センターで講師に大阪府子ども家庭サポーターの辻由起子さんを招き研修会を開いた。約40人が「であう・つながる・あきらめない~今、私たちにできること~」をテーマにワークショップに取り組んだ。

 子育てあんしんネットしんぐうは2003年10月に「新宮市児童虐待防止連絡会」として市内の児童に関わる関係機関、民生委員児童委員協議会、児童相談所、市福祉課、町内会、ボランティア団体などから組織された。各団体が連携し、子どもたちを見守るとともに子育てしやすい環境をつくることを目的に、虐待を起こさないよう啓発活動や広報などに取り組んでいる。

 この日は児童虐待をテーマにしたドラマ『やさしい花』を鑑賞。それぞれの登場人物の立場で自分ならどう行動するかなどを考えた。

 辻さんは現状や結果を知るだけでなく原因も知ってほしいとし、環境次第で誰もが当事者になる可能性があると述べた。「虐待をしたくて子どもを産む人はいません。貧困になりたくて大人になる子どももいません。本人の弱さを責めるのではなく、社会をどう変えていけるか一緒に考えましょう」。

 地域と学校、家庭のつながりの重要性、親が助かる場所と同時に子どもが自分の足で駆け込める場所を作ることの必要性を語り、活動に大切なこととして「無理をしないから続く。できることを、できる人が、できる範囲でやりましょう。届けたいところに届かないと言われるが、地域の元気な人を増やすことで地域に見守りの目が増え、届いていく。専門知識がないという人もいますが、知識がないことより心がないことのほうが怖いです」と語った。

 「仲間とのつながりがあるからできること。また、自分だけが幸せな社会は存在しない。周りの地域が幸せだから自分が幸せとなる。遠回りに見えても自分の幸せを望むなら、地域の幸せを考えて。輪をみんなでつないで、ぬくもりが循環するような地域に変えていきましょう」と呼び掛けた。

(2017年11月15日付紙面より)

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話に耳を傾ける参加者ら=13日、新宮市福祉センター
辻由起子さん