2017年10月18日
よみがえりの聖地として
熊野那智大社で奉祝記念行事
那智勝浦町
語り部の平野啓子さん(左)とピアニストの中野雅子さん=14日、那智勝浦町の熊野那智大社拝殿

 那智勝浦町の熊野那智大社御創建1700年・那智山青岸渡寺西国三十三所草創1300年記念事業実行委員会は14日、同町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)拝殿と別宮飛瀧神社で、「~甦りの旅は、祈りの熊野から~」をテーマに記念行事「熊野の祈り」を開いた。雨天のため内容は一部変更となったが、祈りの祭典やさまざまな奉納行事があった。

 飛瀧神社では同町の川上邦子舞踊研究所が、『熊野に生きる・・・祈りの道』をテーマに、創作舞踊を奉納。滝をバックに川上代表と門下生が、華やかな迫力ある踊りで参拝客らを魅了した。

 午後5時から大社拝殿に会場を移し、ピアニストの中野雅子さんによるオープニング演奏の後、花井啓州実行委員長(同町観光協会会長)が「本日の『熊野の祈り』を機に、日本はもとより、世界に向けて自然の恵みに感謝する心と祈りの姿をよみがえりの聖地、熊野那智山から発信したい」とあいさつ。来賓の寺本眞一町長が祝辞を述べた。

 祈りの祭典として、同大社神職が祝詞を奏上し『浦安の舞』を奉納。代表で花井委員長が玉串をささげた。続いて那智山青岸渡寺(高木亮享住職)の高木亮英副住職ら熊野修験による山伏問答などの法要があった。

 最後に、元NHKキャスターで語り部の平野啓子さんが、『熊野那智大滝と日本人の心の物語』と題して、古代日本の神話など、語りの世界を繰り広げた。物語はイザナギ、イザナミ両神の出会いの場面から始まり、ユーモアを交えながらの平野さんの語りに来場者が聞き入った。

 祭り見学が趣味という三重県志摩市の大城美由紀さん(37)は「平安衣装を着てみたかった。雨で残念でしたが今日のような記念の日に来れてとてもうれしい。ご縁を感じます」と笑顔で話していた。

(2017年10月18日付紙面より)

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語り部の平野啓子さん(左)とピアニストの中野雅子さん=14日、那智勝浦町の熊野那智大社拝殿