2017年03月19日
カツオが見えない
シーズン控え魚業者に不安
串本町

 ケンケン漁発祥の地、串本町では初ガツオのシーズンを前に例年3月から漁が活気を見せるが、今年は1日から15日までにまだ500㌔しか揚がっていない。和歌山東漁業協同組合業務部の河田洋部長は「3月の水揚げは250㌧くらいが当たり前だった。カツオが見えない。後半どこまで伸びてくれるのか」と懸念する。昨年3月中の水揚げ量もわずか10㌧だった。深刻な不漁が続く。和歌山水産試験場で状況を聞いた。

 同試験場では毎年、盛漁期にあたる3月から5月までの沿岸カツオひき縄漁主要3港(田辺・すさみ・串本)の水揚げ総量などで来遊資源量の増減を見ている。カツオは漁獲量の増減幅が大きいため、資源については単年ではなく数年間の動向を見ることが必要という。1999年に急激な減少があり、当時は大騒ぎになったが翌年に約5倍に回復。「不漁の次には大漁」が期待でき、数年ベースで高水準を維持していた。ところが2004年に前年の6割減に落ち込んだ後、漁獲水準は10年間半減のまま。追い打ちをかけるように14年は過去最低量の72㌧を記録。ピーク時1995年の1569㌧の約4%というすさまじい減少だ。

 海で何が起こっているのか。同試験場・海洋資源部の小林慧一さんは、高知や宮崎でも状況は同じという。主要因として、カツオの主分布域である赤道付近の熱帯海域で海外大型まき網船団の大規模な漁獲による影響が考えられている。中部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の報告書によるとまき網船団の漁獲量は年間200万㌧に及び、20年前から増加が続いている。

 沿岸域でのカツオ漁獲量の低迷を受け、国際水産資源研究所ではカツオ春漁予測を公表している。今年1月30日の発表では、太平洋沿岸域への春季来遊量の水準は『昨年を上回り、過去5年平均並みである可能性が高い』との予測を示しているが、漁場での見通しは明るくないようだ。

(2017年3月19日付紙面より)

県内主要3港(田辺・すさみ・串本)のひき縄漁業による春漁期(3~5月)のカツオ水揚量
漁が見込めず操業を見送るカツオ船=9日、和歌山東漁協前