2015年02月12日
熊野川小に3D雨量計 東大とMTSが研究目的で設置 新宮市

 東京大学と株式会社MTS雪氷研究所は10日、新宮市熊野川町日足の市立熊野川小学校グラウンドの一角に3次元(3D)雨量計を設置した。全国で使用されている雨量計と違い、横や下から降る雨や飛来方向が測定できる装置で、設置は全国で4カ所目。

 3D雨量計は、気象情報コンサルタント会社のMTSとJR東日本研究開発センター防災研究所が6年間、共同開発し2009年に完成した。高さ約30㌢の筒の上に直径20㌢の球体状の受水器を載せている。現在全国で使用されている雨量計は受水器が1個で、上から降る雨しか計測できないが、3Dは受水器が12個あり、横や下からの雨も計測できる。

 熊野川小学校周辺は2011年9月の紀伊半島大水害で大きな被害を受けた地域であることなどが理由で設置場所に選ばれた。周辺住民の降雨災害への意識向上と教育効果も期待している。取得した雨の詳細なデータはMTSへインターネットで送信されるほか、小学校で見ることができる。設置期間は約2年間で、必要があれば延長する。

 熊野川小学校での設置作業は東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻の島村誠特任教授(60)とMTSの松田益義社長(68)らが見守った。

 従来の観測と合わせることで、警報発令や土砂崩れや川の増水の予測の精度向上が期待できると話す島村教授。「横殴りの雨は普通の雨量計では十分に測定できない。これまで、ものすごい大雨を過小評価してしまうことを問題視していた。将来的には大々的に役に立つものにしていきたい」と力を込めた。

高さ約4㍍のポールの上に設置した3D雨量計。下にいるのは開発した松田益義氏(左)と島村誠氏=10日、新宮市熊野川町日足の市立熊野川小学校