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熊野新聞社 The Kumano Shimbun 〒647-0045 和歌山県新宮市井の沢3-6
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2025年2月26日のアーカイブ

330人が聴講=22日、那智勝浦町の那智山青岸渡寺信徒会館
地域 那智大滝と地域の未来
世界遺産登録20周年記念
那智勝浦町
【この記事のキーワード】
連絡協議会
熊野三山
 那智勝浦町は22日、那智山青岸渡寺信徒会館で世界遺産登録20周年記念シンポジウム「那智大滝と地域の未来」を開催した。会場・オンラインで計330人が参加。著名な建築家・隈研吾さんらを迎え、那智山の信仰、歴史文化、自然の根幹である那智大滝や流域の原生林保全、未来への継承について考えた。

 「瀧の力、森の力」と題した隈さんの記念講演では、冒頭「那智の滝は人々が立ち返るべき自然の象徴」と言及。「自然から遠ざかり、人工的な超高層建築を打ち立てるという時代は限界を迎えつつある。そのことに世界中の人々が気付いている」と時代の転換点を捉え、木材を多く使用し、周囲の環境に溶け込む自身の建築作品や哲学に話を展開した。

 昨年、フランスのパリで開催されたイベントで、スギノアカネトラカミキリによる食害を受けた熊野産の「アカネ材」の虫食い跡を生かした椅子を紹介したところ、予想外の好評を得たとの体験談も披露した。

 国宝「那智瀧図」を有する東京都の根津美術館を設計した時のエピソードも紹介。フランスの初代文化大臣で作家のアンドレ・マルローが「那智瀧図」を目にし、実際に那智の滝を訪れた際の言葉を引用し「那智の滝は超高層ビルのような垂直ではなく、大地とつながった垂直。滝が落ちながら上昇し、天と地がつながる。人間が大地と関係なく無理をして建てた超高層タワーとは違う。それに気付いた先駆者がマルロー。熊野は自然の象徴として、人間を癒やす場所として日本人に大切にされてきた」と語った。

 大河内智之准教授(奈良大学文学部文化財学科)や山本殖生さん(国際熊野学会代表委員・熊野三山協議会幹事)、瀧野秀二さん(熊野自然保護連絡協議会会長)らも登壇し、歴史文化・自然の両面から那智の滝や水源の原生林が果たす役割を強調。生熊みどりさん(熊野那智ガイドの会)による那智参詣曼荼羅(まんだら)絵解きもあった。

(2025年2月26日付紙面より)


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町公民館潮岬支館へ「潮岬・串本かるた」などを託した潮岬小6年生など=21日、串本町潮岬
学校 「潮岬・串本かるた」託す
潮岬小6年生が公民館へ
串本町
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潮岬小
 串本町立潮岬小学校(水上茂秀校長)の6年生20人が21日、町公民館潮岬支館(潮岬公民館)(橋本博支館長)へ自作した「潮岬・串本かるた」1セットなどを託した。

 このかるたは、3~6年次に取り組んだ総合的な学習の時間(ふるさと学習)の集大成として制作。水上校長の提案に興味を持ち20人一丸で平仮名44字分の読み札の内容を考え、手分けして筆書きの読み札とそのイメージに合う絵札を手作りした。44対がそろったところでパソコンへ取り込み、4セット分を印刷。取り合いになりやすい絵札は厚みを持たせ、和柄の折り紙で装飾して頑丈に仕上げた。以降、18日にあった保護者参観でお披露目をし、親対子で遊び初めをした。

 ほぼ半分が潮岬の話題、残りは高速道路やトルコとの友好、串本海中公園センターやカイロスロケット、和深駅付近の車窓や漁業など潮岬以外の町内または町全体の話題で読み札を作っていて、みんなでそのアイデアを出し合うことでふるさとの特色を再発見する良い振り返りができたという。

 20人は地域にも親しんでもらおうと考え、1セットを同支館へ託すことに。21日は44対の読み札・絵札一覧や制作の様子を伝えるラミネート写真も準備して同支館を訪ね、このかるたの内容をいくつか紹介して贈呈を申し出た。橋本支館長は「公民館の玄関へ張って、来てくれた皆さんに見てもらえるようにする。年に1回の区民展で紹介すればみんなの作った努力が浮かぶと思うし、見てくれた皆さんから元気をもらったよという話も出てくると思う。それぐらいすてきなかるたなので、これから大事に宣伝する」と約束をして預かり、感謝して20人の頑張りをたたえた。

 残り3セットは校内で管理するという。6年生の一人、岩見嘉子さんは「みんなで楽しみながら作ったかるたなので、地域のみなさんにも同じように楽しんでもらえたら」と今後の活用を期待した。

(2025年2月26日付紙面より)

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和傘が並び幻想的な光景を見せた=22日夜、神倉神社
地域 神倉神社が幻想的に
「和傘の灯り」で彩り
新宮YEG
 新宮商工会議所青年部(新宮YEG、野中亮伸会長)の主催による「和傘の灯り~人と場所、未来へ想いを繋ぐ~」が22、23の両日、神倉神社で開かれた。同神社での開催は初。太鼓橋から大鳥居先の石段までの一帯をライトアップした和傘が彩り、幻想的な光景を見せた。

 同部が行う恒例イベントで、これまでは新宮城跡や熊野速玉大社で実施していた。今回は「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年記念も兼ねて開催。神社前道路や駐車場では「バイローカルマーケット」として、出店やキッチンカーの飲食販売も行われた。

 22日の会場では、太鼓橋から大鳥居にかけて色とりどりの和傘が並んでいた。社務所前には和傘を山状に積み重ねたモニュメントも展示。大鳥居先の石段では、音楽に合わせて和傘の一群を照らすライトの色合いが変化し、さらに人工発生させた煙に包まれる演出が行われていた。手水鉢には色とりどりの花が浮かんでいた。

 当夜は凍えるような気温だったが、多数が来場してカメラやスマートフォンでの撮影を楽しんでいた。飲食物を買い求める人の姿も多く見られた。

(2025年2月26日付紙面より)

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